2022.10.02
想生堂の思い
モノ宿る命
古来より日本ではモノに命がやどり、付喪神(九十九神)といった神様が宿るとされてきました。
全国で針供養や人形供養など、モノに対する感謝を示す儀式が今も多く受継がれております。
これは世界からみると稀で、大切な日本の文化です。
アフリカや欧州諸国など、無機質なモノに何らかのパワーが宿っていると考える地域はありますが、石や彫刻など特定のモノのみであり、全てに命が宿る。というものではありません。
しかし、日本では日々の生活に使っているモノにまで魂が宿るという考えがあります。
それは日本では神道や仏教の建築であったり、日常の道具など細かな雑器と呼ばれるモノまでが非常に精巧な技術を用いて作られきたのが一つの理由としてあげられます。
職人さんの道具や茶道で使う茶器、芸者さんが使うクシなど、文化的な道具や生活の必需品にも余す所なく精巧な技術が使われているからです。
日本人はすべてのモノ(道具)をいたわり、特別な注意を払って大切に扱います。庭師の道具でも、包丁でも、食器など何でも。道具をいたわる人が大切に作っているモノなので、日本の製品は今も世界中から尊敬されています。高い「技術」が使われているだけでなく、作る人が自分の仕事に誇りと責任を持ち、そのプライドをかけて一品一品決して手を抜く事なく、特別な注意を払って作っているからこそ、そこに、思いや命が宿るのです。
そういった事から使うモノに命が宿り、神さまが宿るとされてきました。
そんな大切に長年使用されてきた道具などをキチンとお片付けをするお手伝いの一助になれればと思い想生堂では日々のお仕事をしております。
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