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2023.05.11

心書

心書VOL:28【不安】

心書 VOL:28
【不安】
ご相談を受ける悩みの一つに無限に湧いてくる不安があるとお聞きします。
禅の話にこんな話がございます。
インドから中国にやって来た達磨大師が、少林寺というお寺で日々壁に向かって坐禅をしていた時のこと。そこへ神光(じんこう)という僧が、それまで儒教や道教を学びつくしながらも、それらの教えに満足せず、達磨大師のもとへ教えを乞いにやってきました。季節は真冬、しんしんと雪の降る中、声を掛けても黙ったままの師の傍で、神光は決死の覚悟で自分の左肘を切断し、その片腕を師に差し出して「私の心は未だ安らかではありません。どうか私を安心させてください」といいます。
すると師は、「それではその心をここへ持ってきなさい。安らかにしてあげよう」と答えました。神光は、それからあれこれと自分の心を長い間探し求めます、一説には何十年もかかったともいわれますが、その不安の正体は見つからず、結局、「その心を求めましたが、ついに得られませんでした」と言います。
すると師は「お前のために安心し終わった」と言いました。
神光は、道教も儒教も学びつくした人です。そんな神光でさえも、不安な心のありかはついにわかりませんでした。
不安は自身の心が作り出すもので、心を外に求めても見つからないのかもしれません。
一番近くにある心をしっかりと見つめることが、不安の湧く蛇口を締めることになるのかもしれませんね。
想生堂

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