コラム

心書Vol.307

【欠点】

先日遺品整理のお手伝いをしておりますと、『自分は片付けが本当に苦手で…。人に比べて欠点が多い人なんです。』というお言葉を耳にいたしました。

それを聞いた時、ある作家さんのお話しを思い出しました。
人々に愛される、人気のドラマやアニメ、小説などのキャラクターには必ず『長所』と『短所』が設定されている。そしてその長所と短所がハッキリと２つあるキャラクターが人々から愛され、印象に残るんです。と

例えば国民的アニメの『ドラえもん』
キャラクターを思い浮かべてください。と言われると、思いつくキャラクターは、ドラえもん、のび太、スネ夫、ジャイアン、しずかちゃん、この辺りかと思います。

【ドラえもん】は物事を解決出来る、便利な道具を何でも出せる反面、ネズミが苦手
【のび太】は優しく思いやりの心があるが、1人では何もできない。
【スネ夫】はお金持ちだけれども、強いものに弱く、ジャイアンの金魚のフンのよう。
【しずかちゃん】は容姿端麗で勉強が出来るがバイオリンが苦手で潔癖症
【ジャイアン】は運動神経がよく、喧嘩も強いが、母ちゃんには弱い

といった具合に必ず長所と短所があります。
ほかの人気アニメのキャラクターなども当てはまります。
逆にどちらかしかない、キャラクターはどうか？
ドラえもんで言えば『出来杉くん』ですね。
勉強も運動もでき、容姿端麗で欠点がありません。
そういった事からか、見る側の記憶にもあまり残りません。
そして一見パーフェクトに見え人気が有ってもおかしくはないのに、人気もあまりありません。

『欠点』とは欠かせない点（かかせないてん）と書くように、私たち1人1人にとって必ず必要なモノなのかと思います。

欠点があるからこそ、親近感が湧きます。
欠点があるからこそ、長所が際立ちます。
欠点があるからこそ、補うための知恵が出ます。

欠点があった方が愛される素敵なキャラクターになる。面白い人生になるのかと思います。

『片付けが苦手』という欠点が有ったから、私もお手伝いする縁を頂けました。

欠点、あってもいいのではないでしょうか。


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大阪　想生堂