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2023.03.07

想生堂の思い

引き継がれる思い。

先日は高知県の生前整理にお伺いしました。
様々な思い出の籠もった品の中に、二振りの日本刀がございました。
共に鞘から抜くと、錆だらけでとても刀には見えないようなモノでした。
「ずっと家にあった刀だけど…。手入れが出来なくてこんなにしてしまって情けない…。」と依頼者さま
二振りとも何とか目釘を抜き、鑑定いたしました。
一本は軍刀(昭和刀)の残欠で銃刀法に触れない長さにされた短刀、しかし恐らくご家族のどなたかが戦地に持って行き守刀として家に置いておいたこではないか。
もう一本は造りや茎から、恐らく鎌倉末期ほどの古い刀ではないかとご説明しました。
刀剣は本当に専門知識と技術が必要で日々の手入れも必須です。
お買取後、刀匠さまの元へ二振り持参しました。
推測通り、昭和刀の残欠と鎌倉末期ごろの日本刀でした。
鎌倉時代といえばまだ刀で戦っていた時代、数百年の内に幾度も実際に使われ、研がれ、もう刃はほとんど残っておらず「もう研ぐことはできないと。研いでやるのは可哀相だ。」と刀匠さんは仰りました。
目立ったサビだけ磨いて頂き、刀に見える拵えまでは戻すことにいたしました。
今から約700年前に作刀され色々な人の手を渡り歩き、刀としての寿命をついに迎える最期の持ち主として私の元に来たと思うと、感慨深いと同時に様々な人の思いの繋がりと感じました。
大切にされてきたモノは思いも物も残り続けます。

先述したように刀剣などは特に手入れと専門知識が必要となります。
研ぎも数十万とかなりの高額になります。
代々引き継いだ大切なモノしっかりと後世へ残してればと思い、生前整理等を行っていきたいです。

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