2023.09.01
心書
心書Vol.141【池の水】
心書Vol.141
【池の水】
暑い日が続いております。
池の周りを掃除しておった時、ふと昔々、小僧の時、師僧に教えて頂いた事を思いだしました。
その日も暑い真夏のよく晴れた日でした。
お寺に入ったばかりの私は掃除が仕事でした。
庭先を掃除していた時、老僧が通りかかったので、私は掃除の手を止めたくて、こんな事を聞きました。
「仏様はどこにいますか?」
老僧は答えました。
「どこにでもおるよ」と
そして納得していない私を見て
「ついて来なさい。」と庭先の鯉が泳ぐ池の前まで私を連れて行き、悠々と泳ぐ鯉を指差し
「このまま日照りが続き池の水がどんどん蒸発してしまうと、この鯉たちはどうなるかな?」
私は「もちろん死んでしまうと思います。」と答えました。
老僧「うん。そうだろうな。」
「自分達の周りに水がなくなればこの鯉は死んでしまう。ではこの鯉たちはそんなに大切な水に感謝しておるかな?そもそもこの水という存在がわかっているかな?」
私「どうですかね…。当たり前すぎて見えてないのではないですか?」
老僧「仏さんも同じだよ。私たちの周りに常にいらして、私たちを包み込んでいる。でもその存在が近すぎて、当たり前すぎて私達は意識しないと感じないかもしれない。でもその存在が無くなれば大変なのだよ。見えるモノが全てではなく、見えない支えや思いに感謝する。それが仏様の存在を感じることだよ。」
と仰りました。
老僧からはとても沢山の学びを頂きました。
見えない存在にも感謝して生きる事を思い出した出来事でした。
想生堂
【池の水】
暑い日が続いております。
池の周りを掃除しておった時、ふと昔々、小僧の時、師僧に教えて頂いた事を思いだしました。
その日も暑い真夏のよく晴れた日でした。
お寺に入ったばかりの私は掃除が仕事でした。
庭先を掃除していた時、老僧が通りかかったので、私は掃除の手を止めたくて、こんな事を聞きました。
「仏様はどこにいますか?」
老僧は答えました。
「どこにでもおるよ」と
そして納得していない私を見て
「ついて来なさい。」と庭先の鯉が泳ぐ池の前まで私を連れて行き、悠々と泳ぐ鯉を指差し
「このまま日照りが続き池の水がどんどん蒸発してしまうと、この鯉たちはどうなるかな?」
私は「もちろん死んでしまうと思います。」と答えました。
老僧「うん。そうだろうな。」
「自分達の周りに水がなくなればこの鯉は死んでしまう。ではこの鯉たちはそんなに大切な水に感謝しておるかな?そもそもこの水という存在がわかっているかな?」
私「どうですかね…。当たり前すぎて見えてないのではないですか?」
老僧「仏さんも同じだよ。私たちの周りに常にいらして、私たちを包み込んでいる。でもその存在が近すぎて、当たり前すぎて私達は意識しないと感じないかもしれない。でもその存在が無くなれば大変なのだよ。見えるモノが全てではなく、見えない支えや思いに感謝する。それが仏様の存在を感じることだよ。」
と仰りました。
老僧からはとても沢山の学びを頂きました。
見えない存在にも感謝して生きる事を思い出した出来事でした。
想生堂
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