コラム

心書Vol.106

【見えない支え】

「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」

フランスの名著『星の王子さま』にこんな一節があります。
ただ目に映るものが必ずしも真実とは言えないこと、心の目で見ること、子供のように曇りなき眼で純真な視点でモノごとを見ることが大切であることをこの一節は伝えているのかと思います。

私達は正しくものを見ているつもりでも、自分にとって損か得かという自己中心的で自分勝手な見方でしかものごとを見ていないことが多々あります。自分よがりな色眼鏡では何が本当で何が偽りなのかを見極めることができません。

それなのに私達は、目に見えるものばかりに心を奪われて、わかりやすい数値ばかりを追い求めているのではないでしょうか。
その結果、本当に大切なものを見失い、目に見えない多くのものに支えられていることに気付かなくなってしまったのではないでしょうか。
私自身、やっと最近本当に多くの人に目に見えない支え、支援を頂いて今の結果があると強く実感しております。
おそらく誰しもが、誰かの見えない支えを受けているのではないかと思います。

視点を変え、そういった周囲の支えに気付けた時、自ずと謙虚になり、感謝の念が心から湧いてきます。

想生堂